第1回
AIは24時間相談できる超優秀なパートナー——誰に相談すればいいか迷う時代の終わり
芳村裕太 · LLC Rip.D
- 営業マネージャー
- AI
- 学び方
- 現場
地方中小企業の AI 導入・活用支援をしているLLC Rip.D代表の芳村です。
このブログは営業チームのマネージャー・経営者さまに向けて書いています。
営業領域20年超の現場経験とプロのエンジニアのもとで学んだ AI に関する専門的な知見を融合して、事業活動のお役に立つ情報を「現場の言葉」でわかりやすくお伝えしています。
営業マネージャーの方から最近よく聞くこんなお悩みがあります。
「AIをなんとなく触ってはいるんですが、本当のところ、誰に聞けばいいのかわからないんです。若い社員に聞くのも気が引けるし、ITに詳しい知り合いも周りにいない、外部のセミナーに行っても帰ってきたら一人……」
大切さは分かっている。でも、知らないことを聞くのは今さら感があって少し恥ずかしい、情報量が多過ぎて何から学べばいいかわからない、詳しい人と話す機会があっても説明が専門的すぎてついていけない——この3つで、学びが止まってしまう方がとても多いと思います。
今回は、その「誰に聞くか」の迷いが、なぜ AI の登場で大きく変わったのかを整理します。
この記事でわかること
- 「誰に聞けばいいかわからない」が、AI 活用のいちばん最初の壁になっている理由
- 従来の学び方(専門家に聞く・スクールに通うなど)と、AI 時代の学び方の決定的な違い
- 明日から使える、最初の相談相手として AI を選ぶ考え方
「未解決の課題が多い」こと = 能力不足ではない
まず初めに、ご安心いただきたいことがあります。
AIについてわからないこと・現場で浮いたままの課題・誰かから受けた質問に回答できないなど、「未解決なこと」が多いのは、自分自身の能力不足ではありません。
いつでも・自分のレベルに合わせて・何度でも教えてくれるという環境が、これまで存在していなかっただけです。
営業現場で20年やってきて感じるのは、「学びが進む人」と「止まる人」の"差"は、頭の良さより質問できる相手が近くにいるかに大きく左右されるということです。
| よくある相談先 | うれしい点 | つまずきやすい点 |
|---|---|---|
| 若い社員 | 手近で話しやすい | 忙しい・教えるのが得意とは限らない |
| 社内のIT担当 | 正確な答えが期待できる | 営業の文脈まで深く理解できていない |
| 外部セミナー・YouTube | 最新情報に触れられる | 自分の現場に当てはまらない |
| コンサル・伴走支援 | 深く設計できる | コスト・タイミング・「こんなこと聞っていいの?」の心理的ハードル |
どれも悪いわけではありません。
ただ、今すぐ、このレベルで、何度でもという条件をすべて満たす相手はなかなか見つからないことが多くありました。
でも今は「AI」という、身近でいつでも質問ができる頼れる存在がいます。
スクールの時代と、AIの時代
誤解のないよう先にお伝えしておくと、今でも価値のあるスクールはたくさんあります。
しかし、スクールにお金を払い、多くの時間を費やさなければ獲得できなかった知識や最適解が、現代では"別の手段"で容易に手に入れることができるようになりました。
これまでの学び方には制約が多くありました。
人に質問できる。でも、24時間いつでもは難しい。
専門家や講師によっても説明のクセ、得意・不得意があります。
性格の相性で、同じ内容でも伝わり方が変わります。
質問の順番を待たなければならないこともありました。
一方、AI に聞くとどうなるか。
- いつでも返事が来る
- 自分のレベルに合わせて、噛み砕いて説明してもらえる
- 作りながら、その場でわからないことを調べられる
これは小さな便利さではなく「学びのループ」「欲しい答えの入手方法」そのものが変わったと私は考えています。
【従来】 わからない → 回答を待つ時間がある → やっと聞けて答えが手に入る → また新たな質問が生まれる → 止まる
【いま】 わからない → その場でAIに聞く → 手を動かす → またわからない → また聞く
人に聞くより、スピード・正確さ・自分に向けて説明してくれることの点で、AI の方が有利な場面は確かに多いと思います。
だからこそ、現場で支援させていただく方にはこう伝えています。
「わからないことは、まず AI に聞く習慣をつけましょう。」
これが、今日の takeaway(持ち帰っていただきたい重要なポイント) です。
会社のメンバーにもぜひ、この1文を共有してAIの活用を習慣化してみてもらえればと思います。
「全部 AI 任せ」では解決しないことを知っておく
ここで誤解を解いておきます。
AI は24時間そばにいる優秀な専属家庭教師のような存在ですが、なんでも願いを叶えてくれて、いつも完璧な回答を出してくれる魔法の杖ではありません。
AI に「〇〇が知りたいから全て回答して」と丸投げしても、自分が求めている理想の回答が返ってこないことがよくあります。
AI は世界中のあらゆる情報を学習しているとても賢い物知りですが、質問の意図・質問者の背景情報など、様々な要因から回答をします。
細かいお話はまた別の記事で紹介しますが、ここでは「AI の回答を信じ切ってはいけない」ということだけ知っておいてください。
もう1つ大事なのは、**「AI を使うことが身についてきた」という感覚の正体は「慣れ」**だということです。
AIを常に使うという概念を頭に入れただけでは、まだ不十分。
実際に手を動かして、同じことを何度か繰り返すと、いつの間にか「あ、こうすればうまくいくのか」とわかる瞬間が必ず来ます。
学生時代、友達や先生に聞いてもわからなかったことが、問題を解いたり、反復行動をしているうちに自然にわかるようになった——あの感覚に近いです。
AI は反復のループを圧倒的に速くする道具です。
遠慮することなくとにかくはじめはなんでも聞いてみる。
返ってきた回答が理想と違うものであれば質問の仕方を変えてみる。
1回2回試してうまくいかなかったとしても、諦めずに繰り返し「なぜうまくいかないのか」を考えて小さな工夫をしてみることが大切です。
上手に使いこなすコツは「初めて仕事をお願いするヒトへ丁寧に指示を出す感覚」でAIに指示を出してみること。
人間でも、指示が曖昧だと理想通りの行動をしてもらえないが、より「具体的で明確な指示」であれば、迷わず正確な行動をとってもらえます。
難しく考え過ぎず、AIと繰り返し対話をする習慣を身につけ、早い段階で「慣れ」の感覚を身につけてみてください。
営業現場でAI を使うイメージをしてみる
たとえば、次のような場面を想像してみてください。
定例の会議のあと、「議事録を AI でまとめたい」と思ったとします。
でも、プロンプトって何? チャットの履歴はどこまで残る? 社内の情報を入れていいの?
こうした初歩的な疑問ほど、人に聞きづらいものです。
若手の社員に「こんなこと聞っていいの?」と気が引ける。
IT に詳しい人に聞くまでもないと考えこんでしまう。
YouTube を見ても、自社の定例会議の運用にはそのまま当てはまらない。
そんなとき、AI だったら遠慮なく聞くことができます。
「営業チームの定例の会議で、議事録を AI にまとめさせたい。IT に詳しくない営業マネージャー向けに、最初の一歩を教えて」——これだけで、だいたいの方向は示してくれます。
完璧な答えを最初から期待する必要はありません。
方向性さえわかれば、次の動きが格段に速くなります。
AI を使ってみると、これまで手作業で時間をかけて行っていたことの多くは「手を動かすまでに頭の中で考える時間が非常に多かった」と気づくことが少なくありません。
今回は議事録を例に出しましたが、他の作業も同じです。
「自分の仕事で使いたいこと」を1つ決めて、AI を動かしてみる
このスモールスタートが、AI の使い方を向上させるヒントです。
自分は追いついていないと感じていたAIの活用と学びが、1歩動き出す
この感覚をぜひ、早い段階で手に入れていただければと思います。
今日から始める小さな一歩
大きな準備はいりません。
「誰に聞けばいいかわからない」と感じていることを、1つだけ紙に書き出してみてください。
たとえば——
- ChatGPT と Claude、どちらを使えばいいのかわからない
- 毎週実施されている定例MTGの議事録を楽にする方法がわからない
- 週次の報告を楽にしたいけど何から手をつければいいかわからない
1つ書けたら、AI にこう聞いてみてください。
私は営業チームのマネージャーです。次のことを教えてください:「(さきほど書いた悩み)」
入社したての新卒社会人でもわかるように、専門用語は解説しながら説明して。
返ってきた答えを確認して
**「要するにこういうことですか?」**と自分の言葉で確認する。
この1回のやり取りが、次の学びにつながります。
まとめ
AI を学びたいのに止まってしまう原因の多くは、ツールの使い方の難しさではなく、**「誰に聞けばいいかわからない」**ことにあります。
AI は、24時間いつでも、あなたのレベルに合わせて教えてくれる頼れるパートナーです。
人に聞くより速く、恥ずかしがることなく、何度でも質問できる。
ただ何も考えずにAIに聞くのではなく、自分の仕事で使いたいことを1つ決めて聞く、理想の回答に近づくように質問の仕方を工夫してみる——
このループが、AI 活用を上達させる近道です。
次の記事では、いま紹介した「新卒でもわかるように説明して」という聞き方を、もう少し深掘りします。
最小回数のやり取りで理解できる回答を引き出す効果的なプロンプトとして、きっとお役に立つはずです。
