第2回
「入社したての新卒社会人でもわかるように専門用語は解説しながら説明して」——理解が進む おすすめプロンプト
芳村裕太 · LLC Rip.D
- 営業マネージャー
- AI
- 学び方
地方中小企業の AI 導入・活用支援をしているLLC Rip.D代表の芳村です。
このブログは営業チームのマネージャー・経営者さまに向けて書いています。
営業領域20年超の現場経験とプロのエンジニアのもとで学んだ AI に関する専門的な知見を融合して、事業活動のお役に立つ情報を「現場の言葉」でわかりやすくお伝えしています。
営業マネージャーの方から最近よく聞くこんなお悩みがあります。
「わからないことはまず AI に聞く」を実際に試してみたものの、返ってきた説明が専門用語だらけで、結局よくわからなかった。
AI はなんでも教えてくれるけど、回答の中身が理解できずに何度も聞き返して結局時間がかかる。
今回は、そんな「わかりづらい回答」を「すぐに理解できる回答」に変える、おすすめのプロンプト(AI への指示文)をご紹介します。
この記事でわかること
- AI の回答を聞き方でコントロールする方法
- 最小回数のやりとりで理解できる回答を引き出すプロンプトの中身
- 営業現場(資料・調査・社内説明)でのおすすめプロンプトの具体的な使い方
AIの説明が難しいのは「聞き方」の問題
結論からお伝えすると、AI の説明がわかりづらい原因は「聞き方」にあります。
AI の説明が難しく感じるのは、自分の理解力が低いからではありません。
AI はとても賢く、たくさんの言葉を知っています。
普通に質問を投げかけると、相手が専門家だと思い込んで答えを返してくることがよくあります。
たとえば——
- 「API」「連携」「ワークフロー」——という言葉があたり前のように出てくる
- 長文や英語の記事を要約させると、原文の複雑さがそのまま残る
- 「〇〇について知りたい」とだけ言うと、聞き手がどこまで対象の情報を知っているかを理解しないまま余計な情報まで含めて回答してくる
私たちは「人間の専門家」に質問をするとき、無意識にこう添えます。
「すみません、IT に詳しくないので、わかりやすく説明してもらえると助かります」
このように、AI にも、同じことをはっきり伝える必要があります。
これが、今日の話の出発点です。
「新卒でもわかるように」の一言で回答が驚くほど変わる
AI に何かを聞くとき、最後に次の一文を添えてみてください。
入社したての新卒社会人でもわかるように、専門用語は解説しながら説明して。
これだけです。
長いプロンプト集を覚える必要はありません。
前の記事で書いたように、自分の仕事で使いたいことを1つ決めたうえで、この一文を会話の末尾に置く。
これが、今日の takeaway(持ち帰っていただきたい重要なポイント)です。
これまでAI が回答してきた内容が理解できず、何度も質問を繰り返していたムダなやり取りが少なくなると思います。
なぜこの一言が効くのか
この一文が効く理由は、シンプルです。
それは、聞き手のレベルを、AI に明示しているから。
AI は自分と同じように「この質問をする人はきっとこれくらい知っているだろう」という前提で回答を返すことがよくあります。
つまり、こちらのレベルを指定しないと、知っていてあたり前の前提で説明が進んでしまうということです。
「新卒社会人でもわかるように」と伝えると、AI は次のような動きをしやすくなります。
- 専門用語のあとに、短い言い換えや例え話を添える
- いきなり結論から回答せず、段階的にかみ砕いて説明する
- 「ここがポイントです」と、区切りをつけて返す
第1回の記事でお伝えした「初めて仕事を頼む人へ、丁寧に指示を出す感覚」と同じです。
指示が曖昧だと理想通りの返答はきませんが、自分のレベルを明確に伝えると前提がそろい、聞き方に応じたわかりやすい回答が得られやすくなります。
もちろん、質問する内容がご自身の専門分野である場合は、わざわざ「新卒でも」と伝える必要はありません。
逆に「私はこの分野に詳しいから余計な説明は不要、本質的な〇〇の部分を端的に知りたい」という聞き方をすれば話がスムーズに進みます。
対話する内容と自分のレベルを考え、欲しい回答から逆算して、AI への質問の仕方を工夫してみてください。
営業現場での具体的な使い方
この考え方を営業マネージャーの現場に当てはめると、次のような使い方がイメージしやすいと思います。
パターン1:クライアントの業界の理解を深めたいとき
商談先の〇〇業界について理解を深めたい。
「この人はうちの業界をよく理解しているな」と感じてもらえる業界知識を、
3つに絞って要点を整理してください。
入社したての新卒社会人でもわかるように、専門用語は解説しながら説明して。
パターン2:チームメンバーへの説明資料のたたき台を作るとき
私は営業チームのマネージャーです。非エンジニアのメンバー向けに、
週次報告を楽にする AI 活用の第一歩を、箇条書きで5つ提案してください。
入社したての新卒社会人でもわかるように、専門用語は解説しながら説明して。
パターン3:セールスの教育マニュアルを作るとき
営業マンとして理解しておくべきフレームワークを10個選定してほしい。
相手の心を動かす現場で使える心理的テクニックも5つ伝えたいです。
入社したての新卒社会人でもわかるように、専門用語は解説しながら説明して。
毎回書くのが面倒なときは
「毎回この一文を書くが面倒、、」——そう感じる方もいると思います。
そんな方におすすめな方法が「ユーザー辞書」という機能を使うことです。
「に」とキーボードに1文字入力すれば「入社したての新卒社会人でもわかるように、専門用語は解説しながら説明して」という文章が一発で出てくるのでとても楽にプロンプトが入力できます。
macにもWindowsにもこの機能があるので、ご自身のPCでぜひ辞書登録の設定をしてみてください。
今日から始める小さな一歩
chatGPT・Gemini・Claudeなど、どのAI チャットでも今日お伝えしたプロンプトは使えます。
私は営業チームのマネージャーです。次のことを教えてください:「(書き出した内容)」
入社したての新卒社会人でもわかるように、専門用語は解説しながら説明して。
やり取りの回数を少なく、理解を早めるとても便利なこのプロンプトをいろんな場面で試してみてください。
まとめ
AI に聞いても説明が難しい——
その原因の多くは、ツールの性能ではなく、聞き方にあります。
「新卒でもわかるように、専門用語は解説しながら説明して」——
この一言を、AI との対話に添える習慣をつけてみてください。
第1回でお伝えした「まず AI に聞く習慣をつける」。
第2回でお伝えした「聞き方を1つ足す」。
この2つがそろうと、現場での AI 活用は一段と進みやすくなります。
次の記事では、困りごとを丸ごと AI に見せる方法——スクリーンショットを渡す聞き方——をお伝えします。
言葉で説明するのが苦手な場面ほど効く便利なAI の使い方です。
