第23回
AIで自動化を急ぐほど、遠回りになる理由
芳村裕太 · LLC Rip.D
- 営業マネージャー
- AI
- 業務効率化
地方中小企業の AI 導入・活用支援をしているLLC Rip.D(リップ)代表の芳村です。
このブログは営業チームのマネージャー・経営者さまに向けて書いています。
営業領域20年超の現場経験とプロのエンジニアのもとで学んだ AI に関する専門的な知見を融合して、事業活動のお役に立つ情報を「現場の言葉」でわかりやすくお伝えしています。
日々の作業を、まるごと自動化できたら——そう考えたことはないでしょうか?
「情報を集めるところから、まとめて、資料に仕上げるところまで全部AIに任せられたら理想的だ」——そう考えて、一気に大きな仕組みを作ろうとする。
ところが実際にやってみると、途中のどこかでうまくいかず、結局手直しが必要になり、思っていたほど楽になりません。
「全部自動化できれば一番楽なのに」「作ってはみたけど、結局毎回どこか手直ししている」——このようなパターンは、経験がある方も多いと思います。
この記事でわかること
- 「全部自動化できれば」その発想が失敗のもとになる理由
- 仕事には**上流(何を誰に伝えるか)と下流(仕上げ・確認)**があるという構造
- 入口と出口を先に決めてから、間の作業をAIに任せる進め方
「全部自動化できれば」——その発想が失敗のもと
結論からお伝えします。自動化は「企画から完成まで一気に」ではうまくいきません。まず、何を誰に伝えるか(入口)と、どうなれば理想か(出口)の両方を人間が先に決めてから、その間の作業をAIに任せていくのが正解です。
多くの人はAI活用というと、企画からいきなり自動化しようとします。しかし、これがうまくいかない原因になっています。
仕事には「上流」と「下流」がある
仕事は、大きく「上流」と「下流」に分けられます。何を誰に伝えるかを決めるのが上流、それを実際の形に仕上げていくのが下流です。
例えば、何かの資料を作る仕事を考えてみましょう。企画から完成まで一気にAIにやらせようとするのは、うまくいきません。上流の方針が曖昧なまま下流をAIに任せても、出てくるのは「なんだかずれている」ものになってしまうからです。
正解は、入口と出口を先に決めてから任せる
正しい順番はこうです。まず、「誰に何を伝えたいか」という入口と、「これで本当に伝わる、これなら大丈夫」と自分が思える完成イメージ——出口の両方を、自分の言葉で先に決めます。この2つがはっきりして初めて、その間を埋める作業を少しずつAIに任せていく——これが、うまくいく自動化の進め方です。
営業レポートで考えてみましょう。企画やデータ分析の方針を決めずにAIに任せるのではなく、まず「誰に何を伝えるレポートか」「どう見せれば一番伝わるか」を、マネージャー自身が先に決めます。
この入口と出口が決まってから、情報収集やたたき台づくりといった間の作業を、少しずつAIに任せていく。全自動を最初から夢見るのではなく、自分が納得できる完成イメージをはっきりさせることから始める——遠回りに見えて、これが一番早く着地する順番です。
方向性が曖昧なままAIに一気に走らせると、出てきたものが的外れで、結局ゼロから作り直すことになりがちです。先に入口と出口を決めておくことは、丁寧なようでいて、実は「作り直し」という一番の遠回りを避けるための近道でもあります。
今日から始める小さな一歩
自動化したい仕事を1つ思い浮かべてみてください。
そして、「誰に何を伝えたいか」「どうなれば自分が納得できるか」を、それぞれ一言にしてみてください。それが分かれば、間の作業をAIに任せる範囲が見えてきます。
まとめ
自動化は、企画から完成まで一気に、では遠回りになります。
正解は、入口と出口を先に自分の言葉で決めてから、その間の作業をAIに任せること——急がば回れではなく、それこそが一番早い道——これが今日の takeaway です。
