第11回
50冊ドサっと渡すな、3冊だけ見ろ——AIへの資料の渡し方
芳村裕太 · LLC Rip.D
- 営業マネージャー
- AI
- AIの限界
地方中小企業の AI 導入・活用支援をしているLLC Rip.D(リップ)代表の芳村です。
このブログは営業チームのマネージャー・経営者さまに向けて書いています。
営業領域20年超の現場経験とプロのエンジニアのもとで学んだ AI に関する専門的な知見を融合して、事業活動のお役に立つ情報を「現場の言葉」でわかりやすくお伝えしています。
営業マネージャーの方から、こんなお悩みをよく聞きます。
「AIに提案書を作ってもらうとき、念のため関連しそうな資料を全部渡してから『あとはよろしく』とお願いしていたんです。でも、情報は多い方が親切だと思っていたのに、なぜか的外れな答えが返ってくることが多くて……」
実はこれ、資料を渡しすぎたことが原因かもしれません。
この記事でわかること
- 資料を渡すほど精度が落ちる理由
- 「全部渡す」より効果的な渡し方
- 営業現場での具体的なコツ
「念のため全部渡す」が、実は逆効果
結論からお伝えすると、AIに関連資料をどさっと渡して「あとはよろしく」とお願いすると、机の広さの上限を圧迫し、注意力も分散してしまいます。これまでお伝えしてきた2つの壁が、同時に起きてしまうのです。
情報は多い方が親切、という感覚は自然なものですが、AIに関しては逆効果になることがあります。
資料を渡すのは、人に仕事を頼むのと同じ
これは、人間に仕事を頼むときと同じだと考えると、わかりやすいと思います。
新しく入ったメンバーに仕事を頼むとき、50冊の分厚いファイルをドンと机に置いて「ここに資料があるから、あとはよろしく」と言われたら、どこから見ればいいのかわからず困ってしまうはずです。
一方、同じ50冊のファイルがあっても、「この3冊だけは絶対に見ておいて、あとは必要になったら見て」と言われたらどうでしょうか。圧倒的に仕事がしやすくなります。AIも、これとまったく同じです。
「全部見て」ではなく「この3つだけ見て」
AIの能力を引き出すには、渡す前に情報を整理し、本当に必要なものだけを絞り込むことが欠かせません。
資料を絞ることは、AIに情報を隠すことではありません。むしろ、「これが一番大事です」という優先順位をはっきり伝えてあげる、前向きな整理作業だと考えてください。優先順位が明確なほど、AIは的確に応えてくれます。
営業現場での使い方
この考え方を、営業マネージャーの現場に当てはめてみます。
提案書を作成するときに複数の参考資料があるなら、渡す前に「このうち、絶対に見てほしいのはどれか」を2〜3個に絞り込んでください。「この3つは必ず参照して、他は必要になったら聞いて」と伝える渡し方に変えるだけで、AIの回答は驚くほど的確になります。
案件の背景情報をまとめて共有するときも同じです。関連しそうなものを全部並べるのではなく、核心となる資料を先に指定してあげましょう。
今日から始める小さな一歩
次にAIへ資料を渡すときは、渡す前にこう自分に聞いてみてください。
このうち、絶対に見てほしいのはどれだろう?
2〜3個に絞り込んでから渡すだけで、AIの回答の質が変わってきます。
まとめ
AIに資料を渡すときは、情報を多く渡すことが親切とは限りません。
全部ドサっと渡すより『この3つだけは見て』と絞る方が、いい仕事をしてくれる——これが今日の takeaway です。
次の記事では、ここまでお伝えしてきた3つの壁の話を、1つの考え方にまとめてお伝えします。
