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第29回

AIへの指示力を一人ひとり鍛えるより、チームで1つの理想を持つ

芳村裕太 · LLC Rip.D

  • 営業マネージャー
  • AI
  • チームマネジメント

地方中小企業の AI 導入・活用支援をしているLLC Rip.D(リップ)代表の芳村です。
このブログは営業チームのマネージャー・経営者さまに向けて書いています。
営業領域20年超の現場経験とプロのエンジニアのもとで学んだ AI に関する専門的な知見を融合して、事業活動のお役に立つ情報を「現場の言葉」でわかりやすくお伝えしています。

理想の完成形を1つAIに渡すと、条件を並べるより品質が上がる——前回、そんな話をしました。

この話には、チームで使うときにこそ効いてくる続きがあります。

営業スタッフAさん、Bさん、Cさんが、それぞれお客様に自社サービスを紹介するとき、トークスクリプトやプレゼン資料の作り方はどうなっているでしょうか。もともと各自の経験や工夫でバラつきがあったところに、最近はAIにも頼るようになった。AIへの頼み方も一人ひとり違うため、会社の魅力や価値の伝え方のバラつきが、以前よりさらに広がっている——そんな状態に心当たりはないでしょうか。

「同じ会社の商談なのに、なんでこんなに説明の重みづけが違うんだろう」。原因はスタッフ個人のAIへの指示力の差だと考えて、一人ひとりに使い方のコツを教えて回っても、根本的には解決しないことがあります。

チーム全員が一つの同じ資料を使っている場合も「価値の伝え方」にはばらつきが出ることが現場では非常に多いという前提で、この記事を読んでいただくと一段理解度が上がると思います。

この記事でわかること

  • AIの使い方がメンバーによってバラつく、よくある悩み
  • バラつきの正体は、指示の上手さの差ではないという視点
  • 理想の1つを、チームの共有財産にする方法

原因は指示の上手さではない

結論からお伝えします。AIの出力がメンバーごとにバラつくのは、AIへの指示力の個人差ではありません。理想の1つを個人の工夫で終わらせず、チームで共有することで品質が高く揃いやすくなります。

「丁寧に」「分かりやすく」とAIに伝えても、人によって中身が違う

現場の営業スタッフ一人ひとりに「AIにはもっと丁寧に、分かりやすく伝えて」とコツを教えても、根本的には解決しないのには理由があります。「丁寧に」「分かりやすく」といった感覚的な言葉は、それをAIへの指示に落とし込むとき、人によって中身が違うからです。ある人が思い描く「分かりやすい」と、別の人が思い描く「分かりやすい」は、微妙に違う。その解釈のズレが、そのままメンバー間の伝え方の差になって表れます。

AIを開発している側も、抽象的な指示を並べるより、1つの具体例を渡すほうが伝わりやすいと述べています。感覚的な言葉の解釈を10人分すり合わせるより、「これが理想」という共通の実例をAIに渡したほうが、揃うスピードは早いのです。各自の指示力に頼っている限り、新しいメンバーが増えるたびに同じ問題が繰り返されます。

理想の1つを、チームの共有財産にする

バラつきを解消する鍵は、個人のAIへの指示力を鍛えることではなく、「品質を揃えるための土台」をチーム全体で共有することにあります。「これが理想」と言える完成形を1つ、誰か一人の頭の中や個人のメモに留めず、チーム全員が同じものを参照できる状態にする。それだけで、メンバーごとの解釈のズレが入り込む余地がなくなります。

この共有の土台は、一度作って終わりではありません。実際に使ってみて気づいた点があれば、少しずつ育てていくものだと考えてください。

今日から始める小さな一歩

チームで「これが理想」と思えるトークスクリプトやプレゼン資料を1つ選んでみてください。

そして、全員が参照できる場所に置いて、次から使ってもらってください。それだけで、バラついていた伝え方が少しずつ揃っていきます。

まとめ

AIの使い方がメンバーによってバラつくのは、指示の上手さの差ではありません。

理想の1つをチームの共有財産にすれば、誰が使っても同じ伝え方で揃う——これが今日の takeaway です。

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