第31回
「もっと丁寧に」と直しても変わらないAIの返信——直すべきは言い回しではなく〇〇
芳村裕太 · LLC Rip.D
- 営業マネージャー
- AI
- 業務効率化
地方中小企業の AI 導入・活用支援をしているLLC Rip.D(リップ)代表の芳村です。
このブログは営業チームのマネージャー・経営者さまに向けて書いています。
営業領域20年超の現場経験とプロのエンジニアのもとで学んだ AI に関する専門的な知見を融合して、事業活動のお役に立つ情報を「現場の言葉」でわかりやすくお伝えしています。
AIに週報の下書きを頼み、出てきたものを読んで「なんとなく違う」と感じる。「もっと丁寧に」と指示を直して再度頼むと、今度は長くなりすぎる。「もっと簡潔に」と直すと、今度は言葉が足りなく感じる。
そうやって言葉を足したり削ったりを繰り返しているうちに、何を直せば正解なのか、自分でもわからなくなってくる——そんな堂々巡りに心当たりはないでしょうか。
指示の表現を変えることに時間を使い続けても、実は見直すべきは指示の言い回しではないかもしれません。
この記事でわかること
- 指示の言い回しを直しても堂々巡りになる本当の原因
- ゴールが言葉になっていないと、AIも評価できないという事実
- 業務全体ではなく、目の前の1回に「スモールゴール」を置く方法
直しているのは「表現」であって「基準」ではない
結論からお伝えします。指示を出し直す前に、まずゴールを言葉にできているかを確認してください。ここで言うゴールとは、業務全体の理想形ではなく、「今日のこの1通」だけに通用する**小さなゴール(スモールゴール)**のことです。ゴールが曖昧なままでは、AIも自分自身も、出てきたものを評価できません。
AIも自分も、何を基準に良し悪しを判断すればいいかわからない
業務全体の理想像を1つ作り込むような大がかりなゴールでなくても構いません。週報であれば、そのスモールゴールは「読んだ上司が状況を把握でき、判断や声かけが必要な箇所がひと目でわかる状態になる」ことかもしれません。問い合わせ返信であれば、「お客様が読んで対応してもらえたと安心でき、次に何をすればいいかがわかる状態になる」ことです。
私たちはつい、このスモールゴールを省略してしまいます。自分の中でゴールが明確になっていると思い込んだまま、AIに仕事をお願いしてしまうのです。しかし、ゴールが言葉になっていないと、AIが出してきたものを評価することができません。AIもまた、どの方向に向けて力を使えばいいのかがわからないまま、仕事を進めることになってしまいます。表現をいくら変えても堂々巡りが解消しないのは、この評価基準そのものがないまま調整を続けているからです。
直す前に、一文だけ書いてから頼む
スモールゴールを一文にできると、AIの出力を「これはゴールに近いか、遠いか」という基準で評価できるようになります。評価できれば、次の指示も自然と的確になっていく。工程ごとに合格ラインを作り込むほどの手間はかけなくても、目の前の1回のやり取りに一文添えるだけで、直しの精度は変わります。
今日から始める小さな一歩
次にAIに何かを頼む前に、「この仕事が完成したとき、相手にどんな状態になっていてほしいか」を一文で書き出してみてください。それが、その1回のためのスモールゴールです。
それだけで、これまでの堂々巡りが、少しずつ解消されていくはずです。
まとめ
AIの結果が微妙なときに直すべきは、指示の言い回しではありません。
まず目の前の1回に、小さなゴール(スモールゴール)を言葉にする——それが、AIとの仕事の土台になる——これが今日の takeaway です。
